Oxford Reading Tree(ORT)は、イギリスのオックスフォード大学出版局が開発した英語学習教材です。1段階ずつ難易度が上がり、同じキャラクターたちが繰り広げる日常ストーリーを通じて、自然な英語表現を学びます。世界中の国で採用され、家庭学習から学校教育まで幅広く使われている、最も信頼されている読書教材です。
おうち英語で英語絵本を探していると、一度は目にするのが
Oxford Reading Tree(オックスフォード・リーディング・ツリー)
略して、ORTです。
私もORTが大好きでした。
最初はとても短いお話なのに、少しずつ文章が増えていく。
同じ家族が何度も登場するので、
「またBiffたちだ」
と、シリーズものとして楽しめるのもORTのいいところです。
でも、いざ買おうとすると迷います。
「レベルがいっぱいあるけど、どこから?」
「何歳向け?」
「StageとLevelって何?」
「ORTってフォニックス教材なの?」
「順番に全部読んだほうがいい?」
このページでは、そんなORTの「最初に知りたいこと」をまとめます。
Oxford Reading Tree(ORT)とは?
Oxford Reading Treeは、Oxford University Pressが出版している子ども向けのリーディングシリーズです。
Oxford公式では、ORT全体で800冊以上のフィクション・ノンフィクションがあり、Biff, Chip and Kipper Storiesをはじめ、Songbirds、Traditional Talesなど複数のシリーズが含まれています。
日本のおうち英語で特によく知られているのが、
Biff(ビフ)
Chip(チップ)
Kipper(キッパー)
Floppy(フロッピー)
たちが登場するシリーズです。
Biff、Chip、Kipperたちは、40年近く子どもたちの読む学習を支えてきたキャラクターとしてOxford公式でも紹介されています。
最初のうちは、
「え、これだけ?」
と思うくらい文章が少ない本もあります。
でも、それでいいんです。
英語の本を読むことに慣れながら、少しずつ文章量を増やしていける。
ここがORTの大きな特徴です。
ORTのレベルは?Oxford Levelは20段階
ORTを選ぶとき、最初につまずきやすいのが「レベル」です。
現在、Oxford Reading Treeの本はOxford Level 1〜20の20段階に分けられています。
ざっくり見ると、
| Oxford Level | 読み方のイメージ |
|---|---|
| Level 1 | 絵を楽しむ・文字のない本もある |
| Level 1+〜3 | とても短い文から読む |
| Level 4〜6 | 文が少しずつ増える |
| Level 7〜9 | ストーリーをしっかり楽しむ |
| Level 10〜 | より長い文章へ |
| Level 20まで | 自立した読書へ |
という流れです。
ただし、これは日本の子ども向けの「年齢表」ではありません。
英語を読む力の段階を表すもの
と考えたほうがわかりやすいです。
ORTは何歳から?
ここは、「○歳ならLevel○」と決めなくて大丈夫です。
Oxford公式の目安では、たとえばOxford Level 2のBiff, Chip and Kipper Storiesはおよそ4〜5歳とされています。
また、家庭向けのRead with Oxfordは、おおよそ3〜7歳を想定してStageが設定されています。
ただし、これは英語環境にいる子どもたちを含めた目安です。
日本でおうち英語をしている場合、
- これまでどのくらい英語を聞いてきたか
- 英語絵本に慣れているか
- フォニックスを知っているか
- 自分で読むのか、読み聞かせなのか
によって、ちょうどいいレベルは変わります。
だから、
「5歳だからLevel 5」
のように年齢と数字を合わせる必要はありません。
ORTはどのレベルから始めればいい?
私は、簡単なところからでいいと思っています。
むしろ、
「これなら楽しい」
と思えるくらい簡単でも大丈夫。
英語絵本を読む目的は、難しい本に挑戦することではありません。
親子でページをめくって、
「またこの家族だ」
「この犬、また何かやってる(笑)」
なんて楽しめれば、それで十分です。
Oxfordにも、子どもに合ったRead with OxfordのStageを確認するための簡単なレベルチェックがあります。
迷ったら、背伸びするより、
少し簡単かな?くらいから。
そのくらいがちょうどいいと思います。
ORTは順番に読まないといけない?
全部をLevel 1から順番に買う必要はありません。
ORTには非常に多くの本があります。
同じOxford Levelの中にも、
- Biff, Chip and Kipper
- Songbirds
- Traditional Tales
- ノンフィクション
など、さまざまなシリーズがあります。
ですから、
全部そろえることより、今楽しめる本を読むこと
を優先して大丈夫です。
お気に入りだけ何度も読む時期があってもいい。
途中のレベルから始めてもいい。
少し簡単な本へ戻ってもいい。
ORTは「全部クリアする教材」ではなく、長く付き合える英語の本棚として考えると気楽です。
ORTとフォニックスの関係
「ORTってフォニックス教材?」
これもよく迷うところです。
答えは、
ORTの中には、フォニックスを使って読むシリーズがあります。
です。
Oxfordでは、Biff・Chip・Kipperを使ったphonics-based storiesや、音と文字の関係を学びながら読んでいく本が用意されています。
ほかにも、
Songbirds Phonics
など、フォニックスを明確に取り入れたシリーズがあります。
ORTとは別に、Oxford University Pressからは
Read Write Inc. Phonics
という、ORTとは別の独立したフォニックスプログラムも出版されています。どちらもOxford University Pressの信頼できる教材ですが、構成と目的が異なります。
ただ、
「ORT=全部フォニックス教材」
と考える必要はありません。
ストーリーそのものを楽しむ本もあります。
ORTという大きな本棚の中に、
フォニックスを使って読む本もある
と考えるとわかりやすいです。
ORTとサイトワーズ
英語を読み始めると、
フォニックスだけでは読みづらい単語や、何度も登場する頻出語にも出会います。
たとえば、
the
you
was
said
などです。
こうしたよく出てくる単語を、繰り返し本の中で目にすることも、読む経験のひとつになります。
ORTのいいところは、
単語だけを覚えるのではなく、お話の中で何度も英語に出会えること。
です。
このあと別ページで、
暗唱・フォニックス・サイトワーズから考える「英語を読む力」
についても詳しくまとめます。
ORTは暗唱したほうがいい?
何度も同じ本を読んでいると、子どもが文章を覚えてしまうことがあります。
それも自然なことです。
でも、
暗唱できるようになることを目標にしなくても大丈夫。
「覚えたかな?」
「ちゃんと読めてる?」
と確認し始めると、せっかくの絵本の時間がテストみたいになってしまいます。
覚えていてもいい。
覚えていなくてもいい。
親が読んでもいい。
音声を聞くだけの日があってもいい。
ORTは、読む力を確認するためではなく、
親子で英語の本を楽しむために使っていい
と思っています。
ORTは多読に向いている?
ORTは、多読との相性がいいシリーズです。
理由は単純で、
レベル別にたくさんの本があるから。
同じくらいの難しさの本を何冊も読みながら、少しずつ次のレベルへ進めます。
しかもBiff、Chip、Kipperたちは何度も登場します。
初めて見る人物ばかりではないので、
「いつもの家族の次のお話」
として読み進められます。
多読というと、
「何冊読んだ?」
と冊数が気になってしまうことがあります。
でも、冊数を増やすことそのものが目的ではありません。
一冊を何度読んでもいい。
途中で別のシリーズへ行ってもいい。
またORTへ戻ってきてもいい。
本棚に英語の本があって、読みたいときに開ける。
そんな環境があれば理想的です。
Biff・Chip・Kipperのお話がORTの魅力
ORTを好きになる理由として、私はここがかなり大きいと思っています。
最後のオチ(笑)。
何気ない日常のお話なのに、
最後のページで、
「そうなるの?」
となる。
親子で顔を見合わせて笑ってしまうようなお話がたくさんあります。
英語を覚えるために読むというより、
次のお話が読みたくなる。
その結果、英語の本を何冊も開いている。
ORTは、そんな使い方ができるシリーズです。
Oxford公式もBiff, Chip and Kipper Storiesについて、ユーモアやドラマ、細かなイラストを特徴として紹介しています。
Oxford LevelとRead with Oxford Stageは違う?
ここ、かなりややこしいです。
現在Oxfordには、
Oxford Level:1〜20
とは別に、家庭向けシリーズ
Read with Oxford:Stage 1〜6
があります。
Read with Oxfordは、家庭で読むことを想定したシリーズで、フォニックスの最初の一歩から、自分で読めるようになる段階まで6 Stageで構成されています。
つまり、
Oxford LevelとRead with Oxford Stageは、同じ数字の体系ではありません。
「Stage 3だからOxford Level 3」
とは限らないので、購入するときはここだけ注意してください。
ORTは無料で読める?
はい。
Oxford Owlには、家庭で利用できる無料eBookライブラリーがあります。
対象は主に3〜11歳で、無料登録・ログインをするとeBookを読むことができます。Biff, Chip and Kipperを含むOxford Reading Treeの作品も掲載されています。
ですから、
「ORT、うちの子に合うかな?」
と思ったら、いきなり大量に購入する前に、
まず無料eBookで雰囲気を見てみる
のもいいと思います。
※掲載作品や利用条件は変更されることがありますので、利用時にOxford Owl公式サイトをご確認ください。
ORTのおすすめの使い方
おうち英語でORTを使うなら、難しく考えなくても大丈夫です。
我が家なら、このくらいで十分。
- 親が読み聞かせる
- 音声があれば聞く
- 子どもが読みたそうなら読む
- 好きな本は何度でも読む
- 難しそうなら簡単な本へ戻る
- 面白くなければ別の本へ行く
そして、
「読んでみて」
「これは何て読む?」
「覚えてる?」
を毎回やらなくてもいい。
英語絵本まで「今日の課題」にしてしまうと、親も子も疲れます。
リビングに置いてあって、
たまに開く。
「これ読もうか」
となる。
そのくらいでも、ちゃんと英語のある生活です。
ORTがおすすめなのはこんな家庭
ORTは特に、
- 英語絵本を少しずつレベルアップしたい
- 読み聞かせから自分で読む本へつなげたい
- 同じ登場人物のシリーズを長く楽しみたい
- フォニックスを使って読める本も取り入れたい
- 多読用の本を探している
という家庭には選択肢のひとつになります。
一方で、
「ORTをやらないと読めるようにならない」
わけではもちろんありません。
子どもによって好きな絵も、好きなお話も違います。
ORTが好きならORT。
ほかのシリーズが好きなら、そちらで大丈夫です。
ORTの次に読みたい英語絵本
ORTだけが英語絵本ではありません。
少しずつ自分で読むようになってきたら、
I Can Read!
Scholastic Sight Word Readers
Scholastic Acorn
Step into Reading
Frog and Toad
など、選択肢はどんどん広がります。
これから「おうち英語ナビ」では、
年齢・レベルから英語絵本を探す方法
と、
暗唱・フォニックス・サイトワーズから読む力を考える方法
の2方向から、英語絵本をまとめていきます。
「次は何を読もう?」
と迷ったときに、本棚を一緒に見に来るような感覚で使ってもらえたらと思っています。
英語絵本は、「読ませる」ためだけのものではありません
英語絵本を始めると、
「読めるようになったかな」
「レベルを上げたほうがいいかな」
と、つい気になることがあります。
でも、毎回確認しなくても大丈夫です。
一緒に絵を見たこと。
お話のオチに笑ったこと。
「もう一冊」とページをめくったこと。
それも全部、おうち英語の時間です。
英語絵本は、読む力を育てるためのものでもあります。
でもそれ以前に、
親子でお話を楽しめるもの。
ORTも、そんな一冊として本棚に置いておけばいいと思います。



