やってみようと決めたものの、最初の一手がわからない——。この記事は、おうち英語を始める最初の3ヶ月に絞ったガイドです。いつ始めるか、何を揃えるか、初日に何をするか、3ヶ月で何が起きるか、つまずいたときどうするか。ここだけ押さえておけば、スタートでつまずくことはありません。
おうち英語をやってみよう。そう決めたあと、多くの人が同じところで止まります。
で、まず何をすればいいのか。
教材を調べ始めると情報が多すぎて、比較しているうちに時間が過ぎていく。よくあるパターンです。
この記事では、最初の3ヶ月に絞って順番に整理します。全体像はおうち英語とは?に、年齢ごとの進め方はロードマップにありますので、この記事はスタート地点だけを扱います。
先に結論だけ言っておくと、最初にやることは1つです。英語の音を流し始めること。それ以外は、あとから考えて間に合います。
1. いつ始めるか
「今」がいちばん早い
まず身も蓋もない話をすると、思い立った今日が、これから先でいちばん早いタイミングです。
0歳から始めている家庭もあります。小学生から始めて成果を出している家庭もあります。開始年齢によって方法は変わりますが、「もう遅い」ということはありません。
迷っている期間がいちばんもったいない、というのが正直なところです。
年齢別の目安
とはいえ、判断材料は必要でしょう。ざっくりした目安です。
小学1年生まで
英語音のかけ流しと、短いオンラインレッスンから始めます。特別な働きかけはいりません。
慣れてきたら、絵本教材も取り入れてください。英語を聞き取る力と、英文を読む力を
同時に育てていく時期です。
早く始められるほど時間に余裕もあり続けやすいですが、幼稚園からでも小学1年生からでも遅くはありません。
小学2年生以上
学年が上がるほど、中学受験の準備などでおうち英語の時間を確保しにくくなります。
この時期からは、かけ流しよりも英文を読む力・読解力を育てる取り組みのほうが
おすすめです。
始める前に一度ロードマップの該当セクションに目を通してください。
きょうだいがいる場合
上の子に合わせて始めて構いません。かけ流しは、下の子も同時に浴びることになります。別々に用意する必要はありません。
むしろ、下の子は上の子より早い時期から英語を浴びることになるので、条件としては有利です。
2. 最初に揃えるもの
ここは、あっさり済ませていい部分です。
必要なもの
英語の音源(パルキッズなど)。かけ流しやオンラインレッスンのある教材の場合には、パソコンやスマホなどの対応機器です。
音源は、単語や歌、日常会話などが大量に自然な形で入っているものを選びます。単語を読み上げるだけのものや、歌だけのものは、メインには向きません。日常会話が入っていることは必須です。
日本語を身につける時に毎日耳にしていたのは、歌や単語だけではなかったはずです。
機器は、パソコンでもタブレットやスマホでも構いません。毎日開くことが面倒でないものを選んでください。ここが続くかどうかを地味に左右します。
それから、日本語の絵本の読み聞かせに加えて、時々英語絵本の読み聞かせもしてあげるのがおすすめです。
買わなくていいもの
英語で書かれたポスター、カード、単語を覚えさせるアプリ。可愛いですしお子さんも喜びますので買っても悪くはありませんが、おうち英語としては優先度は低いと考えてください。
おうち英語で効くのは「大量の音」であって、「覚えさせる道具」ではありません。
教材選びで迷ったら
正直なところ、どの教材を使っているかより、コンスタントに続けられたかどうかのほうがはるかに大きいです。
3ヶ月かけて最良の教材を選ぶより、そこそこの教材で3ヶ月流したほうが、結果は確実に上になります。
3. 初日から3ヶ月までの流れ
1週目|音を流すだけ
初日にやることは、音を流すことだけです。
子どもの反応は見なくて構いません。聞いているかどうかも気にしないでください。流れていれば成功です。
1日90分が目安ですが、最初から届かなくても大丈夫です。まずは「流す」という行為を生活に入れることを優先します。
2週目〜1ヶ月|時間帯を固定する
慣れてきたら、流す時間帯を固定します。
続けるコツは、すでにある習慣にくっつけることです。
- 朝起きたらスイッチを入れる
- 朝ごはんの間ずっと流しておく
- 保育園から帰ったら流す
- お風呂上がりに流す
「今日は流そうかな」と毎回考えていると、そのうち忘れます。考えなくても手が動く状態にするのがゴールです。
共働きで時間がないという声は多いのですが、かけ流しは何かをしながらできるのが強みです。朝の支度中、食事中、送迎の車内。すきま時間を足していけば、意外と時間は確保できます。
1〜3ヶ月|淡々と続ける
この時期にやることは、正直に言って何もありません。
流し続けるだけです。新しいことを足す必要はありませんし、子どもの反応を測る必要もありません。
4. 最初の3ヶ月で起きること(と、起きないこと)
期待値を先に合わせておきます。ここがズレると、続きません。
起きること
子どもが音に慣れる
英語が流れていても違和感を示さなくなります。これは大きな変化です。
親の生活に組み込まれる
流すのが当たり前になり、意識しなくなります。ここまで来れば、しくみとしては完成です。
ときどき反応する
音に合わせて体を動かしたり、聞いたことのあるフレーズで振り向いたり。あれば嬉しい、程度に考えてください。
起きないこと
英語を話し始めることは、ありません。
3ヶ月で英語が出てくることは、基本的にないと思っておいてください。半年でも、1年でも出ないことがあります。
これは失敗ではありません。そういう順番なのです。
赤ちゃんが日本語を話し始めるまでに何年かかったかを思い出してください。聞く時期が先にあって、話す時期が後から来ます。英語も同じです。
内側で起きていること
外から見えなくても、脳の中では変化が起きています。
耳から入った英語の音は、まず意味と結びつかない「音のまとまり」として蓄積されていきます。この蓄積が十分な量に達したとき、意味と結びついて、外に出てきます。
見えていないだけで、止まってはいません。
この仕組みについては子どもはどうやって英語を身につけるのかで詳しく解説しています。仕組みを知っておくと、この時期を落ち着いて過ごせます。
5. 最初のつまずきと、その対処
スタート期によくある詰まり方を挙げておきます。
子どもが嫌がる
まず、無理にやらせないことです。嫌がっている状態で続けても効果は落ちます。
音量を下げる、時間帯を変える、別の音源にしてみる。いくつか試してみてください。多くの場合、そもそも子どもは「英語が流れている」ことを意識していません。嫌がっているのは英語ではなく、そのときの状況であることが多いのです。
しばらく間を置いてから、機嫌のいいときに再開すると、あっさり受け入れることもあります。
忘れる日が出てくる
気にしないでください。
1日単位で完璧を目指すと、抜けた日に自己嫌悪して、そのままやめてしまいます。月に数日抜ける程度なら、まったく問題ありません。
大事なのは、抜けた翌日に再開することです。
効いているのか不安になる
いちばん多いのがこれです。
3ヶ月では成果は見えません。見えないのが正常です。時間軸を年単位で持ち直してください。
周りの子と比べてしまう
英会話教室に通っている子が挨拶を英語で言っているのを見ると、焦ります。
けれど、目指しているものが違います。挨拶を覚えることではなく、英語を英語のまま受け取る回路をつくることが目的です。回路は外からは見えません。
比べると必ずつらくなるので、なるべく見ないのがいちばんです。
親のやる気が続かない
反応がない相手に毎日同じことをするのは、思った以上に消耗します。
そういうときは、「続けている」という事実だけを評価してください。子どもの変化を成果の基準にすると、最初の1年は報われません。
6. 「パルキッズプリスクーラー」のかけ流しになれてきたら
かけ流しとオンラインレッスンに慣れてきたら、毎日の取り組みが習慣になってきている頃です。
次にやることは2つあります。
① 英語絵本教材「I Can Read」を取り入れる
かけ流しとオンラインレッスンが習慣化されてきたら、絵本教材「I Can Read」を始めます。英文字と絵本のイラストが結びつき、いずれは英単語を読む力、そして英書を読む読解力を育てる段階へと育っていく、最初の段階です。
暗唱を促さないようにしてください。繰り返し聞いて見ているうちに、自然に読めるようになっていきます。
② かけ流しは、そのまま続ける
「I Can Read」を始めても、「パルキッズ」は継続します。「パルキッズ」が土台なので、どちらかしかできない日は「パルキッズ」を優先してください。
そのあとの流れは、ロードマップの各年齢セクションに整理してあります。
まとめ
- 始めるタイミングは今。年齢による向き不向きはあるが、遅すぎることはない
- 最初に必要なのは音源と再生機器だけ
- 絵本も映像も、あとから間に合う
- 初日は流すだけ。反応は見なくていい
- 続けるコツは、すでにある習慣にくっつけること
- 3ヶ月で英語は話しません。日本語と同じで、それが正常
- 抜けた日があっても、再開すれば大丈夫
- どの教材を使っているかより、コンスタントに続けられたかどうかが大きい
始める前は大ごとに見えますが、やることは「毎日ボタンを押す」だけです。
拍子抜けするくらい地味ですが、この地味さこそが、何年も続けられる理由でもあります。
▶ おうち英語ロードマップ:年齢別セクション
3ヶ月から先、何歳で何をするのかをまとめています。
▶ 子どもはどうやって英語を身につけるのか
なぜ音から入るのか。仕組みを知っておくと、途中で迷わなくなります。
あわせて読みたい
▶ おうち英語とは?初心者が最初に知っておきたい基本ガイド
そもそもおうち英語とは何か。全体像はこちらから。
▶ かけ流しは本当に効果がある?
反応がない時期に、何が起きているのかを解説しています。
▶ おうち英語は完璧じゃなくていい
続けることに不安を感じたときに読んでいただきたい記事です。
焦らなくて大丈夫。
子どもには、自分で育つ力があります。

