Read Write Inc. Phonicsとは?フォニックス・Speed Sounds・レベル・読み方まで完全ガイド

子どもが英語を読み始める方法のひとつが、

フォニックス

です。

英語を耳でたくさん聞いていても、

文字を見た瞬間に、

「これ、どう読むの?」

となることがあります。

そこで、

文字と音の関係を使って、自分で単語を読んでいく。

その方法をかなり体系的に作っているのが、Oxford University PressのRead Write Inc. Phonicsです。

ORTのように「絵本シリーズ」として楽しむものとは少し違います。

こちらは真正面から、

英語の文字をどう読めるようにするか

を扱うプログラムです。

Oxford公式でも、Read Write Inc. Phonicsを、子どもが読む・書く・綴る力を育てるためのフォニックスベースのリテラシープログラムとして紹介しています。


Read Write Inc. Phonicsとは?

Read Write Inc. Phonicsは、教育者のRuth Miskin(ルース・ミスキン)氏が開発したフォニックスプログラムです。

Oxford University Pressから教材が出版されています。

特徴は、

Systematic Synthetic Phonics

であること。

ちょっと難しい言葉ですが、要するに、

英語の音と、それを表す文字を順番に学び、その音をつなげて単語を読む

方法です。

Oxford公式では、英国教育省DfEの認定を受けたSystematic Synthetic Phonicsプログラムとして紹介されています。


フォニックスって何?

英語には、

文字の名前と、

実際に単語の中で出る「音」

があります。

たとえば、

m

という文字。

アルファベットの名前では「エム」ですが、

単語を読むときには、

/m/

という音として使います。

同じように、

s
a
t
p
i
n

などの文字と音を少しずつ覚えていきます。

そして、

c-a-t

の音をつなげて、

cat

と読む。

この、

文字 → 音 → 音をつなぐ → 単語を読む

という考え方がフォニックスの基本です。

Oxford Owlでも、フォニックスを、文字または文字の組み合わせと音との関係を使って読む方法として保護者向けに説明しています。


Read Write Inc.の「Speed Sounds」とは?

Read Write Inc.でよく出てくる言葉が、

Speed Sounds

です。

これは、文字や文字の組み合わせを見て、対応する音をすぐ言えるようにしていくものです。

Read Write Inc.では、音を段階的に学びます。

Oxford Owlの保護者向けガイドでは、

Set 1 Sounds
Set 2 Sounds
Set 3 Sounds

という流れで紹介されています。

最初は比較的基本的な音。

その後、

ay
ee
igh

など、複数の文字で一つの音を表すパターンへ進んでいきます。

つまり、

「AからZまで覚えたから終わり」

ではありません。

英語には、

1つの音を複数の文字で表す

ものがたくさんあるからです。


アルファベットを先に全部覚えるの?

Read Write Inc.では、

アルファベット順に、

A、B、C、D……

と教えるわけではありません。

目的は、

単語を読めるようになること。

なので、

音を組み合わせて単語を作りやすい順番で学びます。

これが、一般的な「ABCを覚える」学習とはかなり違うところです。

アルファベットの名前を知っていることと、

英単語を読めることは別。

ここは、おうち英語で「読む」を考えるときに大事なポイントです。


「ブレンディング」って何?

フォニックスで重要なのが、

blending(ブレンディング)

です。

日本語にすると、

音をつなげること。

たとえば、

c
a
t

それぞれの音が分かっても、

バラバラに、

「クッ、ア、トゥ」

と言っているだけでは、まだcatを読んだことにはなりません。

それを、

c-a-t → cat

と一つにつなげる。

これがブレンディングです。

Oxford OwlのRead Write Inc.保護者向け動画でも、家庭でフォニックスを支えるポイントとして、正しい音の出し方とブレンディングが紹介されています。


「デコーディング」って何?

英語の読みの記事でよく出てくる、

decoding(デコーディング)

という言葉。

これは、

文字を見て、その音を使って単語を読み解くこと

です。

つまり、

初めて見る単語でも、

文字と音のルールが分かれば、

「たぶんこう読む」

と自分で読める。

ここがフォニックスの強みです。

単語を一つずつ全部丸暗記しなくても、

自分で知らない単語を読むための道具を持てる。

ということですね。


Read Write Inc.ではどうやって本を読む?

Read Write Inc.は、

音だけをカードで覚えて終わる教材ではありません。

覚えた音を使って、実際の本を読みます。

Oxfordでは、Read Write Inc. Phonicsの読本を段階別に用意しています。

初期の本から始まり、

Red
Green
Purple
Pink
Orange
Yellow
Blue
Grey

などの色分けされたレベルへ進んでいきます。

最後のGreyでは、それまで学んだSpeed Soundsを復習しながら、より流暢に読む段階へ進みます。


本は「読める音」で作られている

Read Write Inc.の読本には、

decodable books

があります。

これは、

その時点までに習ったフォニックスを使って読めるように作られた本です。

Oxford公式のBook Bag Booksも、Read Write Inc. Phonicsに沿ったfully decodableな家庭持ち帰り用読本として紹介されています。

つまり、

まだ習っていない文字の読み方ばかり出てくる本を突然渡されるのではありません。

今知っている音で読める本を読む。

そのため、

「自分で読める」

につなげやすい設計です。


同じ本を3回読むの?

Read Write Inc.では、同じ本を繰り返し読む考え方があります。

Oxford公式のガイドでは、一冊を3回読むことを推奨しています。

1回目は、単語を正確に読む。

2回目は、より流暢に読む。

3回目は、内容を理解しながら読む。

という流れです。

ここ、面白いですよね。

フォニックスというと、

「音を出せれば終了」

のように見えます。

でも本当の目的は、

文字を解読することではなく、本を読むこと。

です。

最後はちゃんと、

「何が書いてあるか」

へ進みます。


Read Write Inc.は何歳から?

学校向けRead Write Inc. Phonicsは、主に英語圏の幼児期〜小学校初期で使われています。

家庭向けには、Oxford Owlで3〜5歳向けのEarly sounds and blendingキットなどが販売されています。

ただし、日本のおうち英語では、

年齢だけで決めなくて大丈夫です。

4歳だから必ず始める。

7歳だから遅い。

というものではありません。

大切なのは、

英語の音をどれくらい知っているか。
文字に興味が出ているか。
自分で読みたい時期に来ているか。

です。


おうち英語では、フォニックスをいつ始める?

ここは少し慎重でいいと思います。

まだ小さい子に、

「これは /m/!」

「次は /s/!」

と教え込む必要はありません。

まず英語の音をたくさん聞く。

英語絵本を見る。

英語そのものに慣れる。

そして、

文字にも興味が出てきた。

「これ何て読むの?」

が増えてきた。

そんな時期に、

文字と音を結ぶ道具としてフォニックスを使う。

そのくらいでも十分です。

おうち英語は、学校の授業を家で再現することではないと思っています。


Read Write Inc.は家庭でも使える?

はい。

ただし、

学校用の巨大な教材セットを丸ごと買う必要はありません。

Read Write Inc.はもともと学校向けの大きなプログラムです。

でもOxfordは、保護者向けに家庭用教材も出しています。

たとえば、

My Reading and Writing Kit: Early sounds and blending

などがあります。

Oxford公式では、正式なRead Write Inc.研修を受けていない保護者でも家庭で使えるよう、専用キットを開発したと説明しています。

なので、日本の家庭で使うなら、

学校用教材一式ではなく、家庭用キットや読本から入る

のが現実的です。


家庭用キットには何が入っている?

Early sounds and blendingの家庭用キットには、

フォニックスの最初の音や、

音をつなげて単語を読むための教材が入っています。

Oxfordでは、これを学校入学前〜フォニックスを始めた時期の家庭学習用として案内しています。

「Read Write Inc.を家でやってみたい」

という場合は、まずこの家庭向けシリーズを見ると分かりやすいと思います。


無料で試せる?

はい。

Oxford Owlには、Read Write Inc.の無料教材があります。

  • eBooks
  • practice sheets
  • 保護者向け動画

などが用意されています。

また、Oxford Owlの無料eBook LibraryにはRead Write Inc.の本も含まれています。

ですから、

「フォニックスって、うちの子に合うかな?」

という場合は、

まず無料コンテンツを見てみるのもいいです。

いきなり教材一式をそろえなくても大丈夫です。


Read Write Inc.とORTは同じOxfordだけど、何が違う?

ここ、かなり重要です。

どちらもOxford University Pressなので、

「同じシリーズ?」

と思いやすいです。

でも役割が違います。

Oxford Reading Tree(ORT)

→ レベル別にたくさんの本を読み、ストーリーを楽しみながら読む経験を増やす大きなリーディングシリーズ。

Read Write Inc. Phonics

→ 文字と音の関係を体系的に学び、初めて見る単語を自分で読めるようにするフォニックスプログラム。

です。

ORTの中にもフォニックス対応本はあります。

でもRead Write Inc.は、

フォニックスそのものが中心。

ここが違います。


Read with Oxfordとの違いは?

これも名前が似ています(笑)。

Read Write Inc. Phonics

→ 学校でも使われる体系的なフォニックスプログラム。

Read with Oxford

→ 家庭で読書を進めるための6 Stageのリーディングシリーズ。

Read with Oxfordは、フォニックスの最初の一歩から自立読書までを6段階で案内しています。

なので、

フォニックスそのものをしっかり見たいならRead Write Inc.

家庭で段階的に本をたくさん読みたいならRead with Oxford。

という違いがあります。

Read with Oxfordは、この次の記事で詳しく扱います。


Read Write Inc.とサイトワーズはどう違う?

前の記事で紹介したScholastic Sight Word Readersは、

よく出てくる単語を、見た瞬間に認識できるようにする

ことに強い教材でした。

Read Write Inc.は、

文字の音を使って、自分で単語を解読する

ことに強い。

ざっくり言うと、

フォニックス
→ 初めて見る単語を読み解く力

サイトワーズ
→ よく見る単語をすぐ認識する力

です。

実際に文章を読むときは、

この両方を使います。

だから、

「フォニックスとサイトワーズ、どっちが正解?」

ではありません。


フォニックスだけで英語は全部読める?

いいえ。

英語には、単純なフォニックスルールだけでは読みづらい単語もあります。

そして、

文字を音にできるだけでは、

文章の意味を理解したことにはなりません。

フォニックスは、

文字を読むための重要な道具。

でもその先には、

語彙。

文章理解。

たくさん本を読む経験。

があります。

だから、

フォニックスを完璧にしてから読書

ではなく、

フォニックスを使いながら、

本も読む。

というのが自然です。


「読める」と「分かる」は違う

たとえば、

知らない英文をフォニックスで全部音にできた。

これはすごいことです。

でも、

何について書いてあったのか分からない。

ということもあります。

つまり、

デコーディング=読解

ではありません。

文字を音に変える。

単語の意味が分かる。

文章の意味が分かる。

お話全体が分かる。

少しずつ段階があります。

Read Write Inc.でも、読本を複数回読み、正確さから流暢さ、そして理解へ進む構成になっています。

ここは今後の「英語の読解力」シリーズにつながる大事なポイントです。


発音を親が教えて大丈夫?

フォニックスでは、

音の出し方

がかなり大事です。

たとえば子音の音を、

余計な母音をつけて、

「ムー」

「スー」

のようにすると、ブレンディングしづらくなることがあります。

Oxford OwlにはRuth Miskin氏による保護者向けの無料フォニックス動画があり、正しい音の出し方やブレンディングのコツを確認できます。

ですから、

「私の発音で教えて大丈夫かな」

と思ったら、

親が全部見本にならなくて大丈夫。

公式音声や動画を一緒に使えばいいんです。


毎日フォニックスを教えないといけない?

おうち英語として使うなら、

そこまで構えなくてもいいと思います。

学校ではRead Write Inc.を体系的に授業として使います。

でも家庭では、

学校と同じカリキュラムを再現する必要はありません。

少し音に触れる。

一緒に一冊読む。

分からない単語を音にしてみる。

そんな使い方もできます。

家庭用キットが別に用意されているのも、

家庭と学校では使い方が違う

からです。


子どもが嫌がったら?

フォニックスは仕組みが分かると面白い子もいます。

「読めた!」

が楽しくなる。

一方で、

ルールを覚えること自体には興味がない子もいます。

そんなときは、

無理にカードを続けなくてもいい。

絵本へ戻る。

音声を聞く。

好きな本を読む。

文字にまた興味が出たら戻る。

英語を読む入り口は、フォニックスだけではありません。


Read Write Inc.がおすすめなのはこんな家庭

たとえば、

  • 英語の音には十分触れてきた
  • 文字に興味が出てきた
  • 「これ何て読むの?」が増えてきた
  • 知らない単語も自分で読めるようになってほしい
  • フォニックスを体系的に使いたい
  • 読める音だけで作られた本から始めたい
  • ORTなどの自力読みへつなげたい

という家庭には、選択肢になります。

一方、

まだ文字に興味がない。

英語そのものを聞き始めたばかり。

という時期なら、

急いで始めなくてもいいと思います。


日本の家庭で買うときの注意点

Read Write Inc.は、もともと英国の学校向けプログラムです。

そのためネットで探すと、

Teacher’s Kit
教室用セット
複数冊セット
研修用教材

なども出てきます。

家庭で使いたい場合は、

for parents
at home
My Reading and Writing Kit
Book Bag Books

など、家庭向け・個人向けの商品かどうかを確認してください。

うっかり学校一校分を注文しないように(笑)。


Read Write Inc.は「フォニックス代表」にしていい?

これは、分かりやすい代表例ではないでしょうか。

理由は、

フォニックスを一部取り入れた絵本

ではなく、

プログラム全体がSystematic Synthetic Phonicsとして設計されているからです。

暗唱・繰り返し
→ パルキッズ アイキャンリード

フォニックス
→ Read Write Inc. Phonics

サイトワーズ
→ Scholastic Sight Word Readers

と考えると、それぞれの違いがかなり見えやすくなります。


ORTと組み合わせるのもあり

「Read Write Inc.をやったらORTはいらない」

ではありません。

むしろ、

Read Write Inc.で文字と音の仕組みに触れる。

その力を使って、

ORTなどの本をたくさん読む。

という流れも作れます。

フォニックスは本を読むための道具。

本を読むこと自体が目的です。

だから、

フォニックス教材だけを延々とやる必要もありません。


サイトワーズとも組み合わせていい

これも同じです。

知らない単語は、

フォニックスで読んでみる。

よく見る単語は、

すぐ読める。

両方使えると、

文章が読みやすくなります。

だから、

Read Write Inc.

Scholastic Sight Word Readers。

どちらか一つを選んで、もう片方は禁止。

なんてことはありません。


まとめ|Read Write Inc.は「知らない単語を自分で読む」ためのフォニックス教材

Read Write Inc. Phonicsは、

文字を見る

音が分かる

音をつなぐ

単語になる

本を読む

という流れを、体系的に学ぶフォニックスプログラムです。

フォニックスの強みは、

まだ見たことのない単語にも、自分で挑戦できること。

でも、

フォニックスだけで英語の読解力が完成するわけではありません。

音にできる。

意味が分かる。

文章が分かる。

お話を楽しめる。

その先までつながって、初めて「読む」になります。

だから、

Speed Soundsを何個覚えた。

何レベルまで進んだ。

そこだけを成果にしなくても大丈夫です。

今日、

一つ音が分かった。

本の中で、その音を見つけた。

「これ、読めるかも」

と思った。

それも、読む世界へ近づいている時間です。